鹿嶋吉田神社のお参りの記録(1回目)
茨城県延方駅

「じゃあ、鳥居君。東京に戻るか..自転車でさ」

「あの、ジャギーさん..【自転車父さん】さんの家、知ってるんですか？」

「え？..ああ、知ってるよ..昔、一緒に神社巡ってたからね。入った事ないけど」

「そうですか..じゃあ、教えてもらえませんか？」

「なんで？」

「あの、僕、自転車2台あるんで、この自転車、【自転車父さん】さんに差し上げようかと思って..」

「えっ..帰りはどうすんの？」

「帰りは、電車で帰りますよ」

「そうか..好きにしたらいいんじゃないか..
でも、俺は行かないぜ！奴の悪行を忘れてないからな！」

「えっ？あの、ビ⚫クリマンシール、譲ってくれなかったって話ですか？」

「ああ、俺はまだ許してないぜ！」

「それのどこが悪行なんですか、まったくもう..」

「なにぃ！ビ⚫クリマンシール譲ってくれないよりも非道な事が世の中にあるって言うのかよ！」

「....いっぱいありますよ...
なんでキレてるんですか..」

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シャー...シャー..(自転車を漕ぐ音)

まったく..ジャギーさんは子供だからなぁ..

おっ、あれは！

へえ..こんな所に神社があるんだ..

じゃあ、自転車を置いて..

お邪魔しよう！

失礼します！

..これは、参道なのかな？

ずいぶん長いな..
全然、神社が見えないという..

おっ、ようやく見えてきた..

へえ..大きそうだなぁ..

..鹿嶋吉田神社か..ふーん

「お邪魔致します！」

へえ..広いなぁ

敷地に公園があるんだ..

では、こちらで浄めてから..

おっ、こちらも龍か..

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おお！立派な社殿だなぁ..

テントも大きい..

ず、ずいぶん立派だなぁ..

また狛犬がいいなぁ！

芸術的！

「本日はお参りさせて頂きまして、有り難うございます！」

いやぁ..思いもよらず、といったら失礼だけど、立派な神社に出会えたなぁ..

いや、得した気分！

どうも、お邪魔致しました！

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よし、じゃあ、帰ろう！

あ、いや、【自転車父さん】さんの家に行くんだった！

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シャー、シャー(自転車を漕ぐ音)

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【自転車父さん邸前】


す、凄い豪邸！

自転車、何台も買えそうなんだけど..

よく解らないけど、とりあえずインターホンを..

ピンポーン


『ガチャ....何者だ！』

「あ、すみません..僕、鳥居クグルって言います..」

『鳥居？...ああ、ジャギーとつるんでる若い奴か...何の用だ！』

「あ、なんか、自転車が壊れちゃったって聞いたんで、僕のを使ってもらえればと思って、持って来たんですけど..」

『ほう....そうか...入れ』

「あ、はい..」

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凄いな..門から玄関まで5分かかったよ

ガチャ

「失礼します..
わっ！凄いシャンデリア！...
トロフィーがずらりと並んでる！」

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「鳥居、久しぶりだな！」

「あ、どうも、お久しぶりです..
あの、自転車、庭に置いときましたんで」

「わざわざ、すまなかったな..」

「【自転車父さん】さん、立派なお住まいですねぇ..
いや、ビックリしましたよ...
これ何のトロフィーですか？え！全日本チャンピオンって書いてますよ！凄いですね！」

「え？あ、と、と、と、鳥居さん！
このトロフィーの事、ジャギーには言わないでもらえませんか？」

「ど、どうしたんですか..いきなり敬語で」

「ジャギーに知られたら、格好のネタにされると思うので..どうか..」

「...あ、はあ..判りましたけど..
じゃあ、僕、帰りますね」

「あ、はい！有り難うございました！」

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なんだろう..
【自転車父さん】さん、いきなり弱腰になっちゃったけど..

全日本チャンピオンなんだから、誇っていいはずなんだけどなぁ..

でも、『ランバダ』って何だろうか..

全日本ランバダダンスのチャンピオンか..

血の滲むような努力したんだろうなぁ..


【おしまい】