緑を眺め、『清浄心』を思い出す一時

ふとお寺の庭先で見上げた空に、透きとおる緑のイチョウの葉が揺れていました。
そのやさしい光と風に包まれて、心がすっと静かになっていくのを感じます。

仏教には「清浄心（しょうじょうしん）」という言葉があります。
それは、濁りやとらわれのない、清らかな心を意味します。

日々の暮らしのなかで、
私たちの心は知らず知らずのうちに
怒りや焦り、嫉妬や不安に染まってしまいます。

でも仏教では、本来の心は誰しも清らかで、
仏のような光をたたえている、そう教えられています。

清浄心とは、新たに身につけるものではなく、
すでに私たちの心の中にあるものです。

たとえば今日、誰かにやさしくなれた。
ひとときでも自然に心がほどけた。
そんな瞬間に、あなたの中の清浄心はきっと息づいています。

どうか今日も、
その静かな“光”とともに一日を歩んでいけますように。