こちらの狛犬は、意図的に左右とも口を開けたお姿で制作されています。「大正時代に'唐獅子一対'が氏子一同によって奉納された」と石碑に刻まれています。
通常は、口を開けた「獅子」がむかって右側、口を閉じた「狛犬」が左側に配置されますが、この狛犬は異なり、格式高い「獅子」の一対として制作されています。個人的には「諏訪様」と「八幡様」が合祀されていることがその理由なのではないかと思います。
江戸時代まで、泉藩の祈願社として諏訪様と八幡様がおなじ境内にそれぞれ祀られていて、明治時代に合祀されました。氏子たちが神様達を敬い「獅子一対」としたのかもしれません。
いわき市泉町は古墳時代以前から船の交易が盛んで、為政者が入れ替わりました。それが同じ場所に諏訪様と八幡様が鎮座する理由の一つのようにも思えます。