『六道～蜘蛛の糸～』

『六道～蜘蛛の糸～』

六道輪廻。聞いたことがある方も多いと思います。天界、人界、修羅界、畜生界、餓鬼界、地獄界の6つの世界に、生まれ変わり死に変わりすることを言います。
この六道を解脱して四聖である佛界、菩薩界、縁覚界、聲聞界を目指すことが「悟り」を得るということとなります。

私どもの宗祖日蓮大聖人はこの現世を浄土にし、我々衆生はこの世にいながら佛様と同じ心持ちになり、また佛様と同じ振舞をすることができると、『如来滅後五五百歳始観心本尊抄』というご文書に詳しくお説きくださっております。

～十界互具、之を立つるは石中の火、木中の花。信じ難けれども縁に値いて出生すれば之を信ず。乃至。人界の仏界の一分也。不軽菩薩は所見の人に於て佛身を見る。悉達太子は人界より佛身を成ず。此れ等の現証を以て之を信ずべきなり。～

この御文書では、六道は死語の世界観だけでなく、むしろ今を生きる我々の心持ちであるということです。

法華経には「速成就佛身」とあるように、今を生きながらにして佛様と同じ心持ちになり、さらに佛様と同じ振舞にいたることができると説かれております。

まず自分が佛様の振舞をすることで、家族や友人を平らかな心持ち、安穏な振舞へと導き、そして家庭、社会を浄土とすることが、法華経に説かれております佛教の醍醐味と言えましょう


蜘蛛の糸は芥川龍之介の小説ですが、にほん昔話でも放送されたりと、おなじみの内容かと思います。
この小説での蜘蛛の糸をお題目にしたイメージのコラボレーションご首題としました。

我々はとかく、怒りや妬みというまさに「生き地獄」の心持ちに陥ることがあります。

その時に自分で自分を平らかな心持ちに導くように、仏様のふるまいができるようにするために、まずはお題目を信じお唱えすることの大切さをお伝えするご首題と致しました。

蜘蛛の糸は、救いを求めてすがる糸というだけではなく、先ず自らが佛様と同じ振舞をするための指針と見ることもできます。
さらに、大切なことはまず糸を信じ、糸をつかむこと、つまり、まず自らが信じ、行動に移すことです。
そして、より多くの方に一緒に糸を信じて、つかんでもらうことで皆でこの世を浄土にしていきたいものです。

※志納金3000円
（見開き３面／帳面は白形色・通常サイズのみ）