大林寺

群馬県 上州新屋駅

柏木地区の神流川下流に架かる柏木橋を渡ると、大寄の集落があり、見上げると大林寺がひときわ高いところに建っています。

　大林寺は、鎌倉時代の永享11（1439）年に創建され建長寺に属し、室町時代の永禄元（1558）年に甘楽町の宝積寺末寺として中興されました。

　ところが、江戸時代の寛保2（1742）年、関東甲信地方を記録に残る豪雨が襲い、柏木でも24人が死亡するという山津波が起こり、お寺は流されてしまいました。その後、現在の位置に再建したものの、昭和31年には柏木の大火で全焼するなど、苦難の道をたどってきました。

　銅鑼と鐃はちは、現在でこそ住職の大庭常三さんが大切に保管していますが、昭和42年に寺屋敷跡の畑から偶然掘り出されたもので、山津波から実に225年もの間、土の中に眠っていたものです。

　製作年代を探るには、銘に残る「月州居士」が鍵となりますが、明らかではありません。