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馬頭観音とは? 人々の煩悩を食べ尽くす馬の守り神を徹底解説
※記事中に使用したイラストの無断転載を禁止します。
「馬頭観音ってどんな仏様?」
「頭に馬がついているのはなぜ?」
「馬頭観音の有名なお寺を知りたい」
全国8万ヶ寺以上のお寺を紹介する日本最大の神社お寺・御朱印の検索サイト「ホトカミ」編集部の高原です。
頭の上に、馬が乗っている仏像を見たことありますか?
この仏像は「馬頭観音(ばとうかんのん)」という仏様です。
特に福岡の観世音寺にある木造馬頭観音立像は、仏像の大きさの基準となる丈六(約4.85m)サイズの作例としては最古のものです。
頭の上に乗っている馬は、人々の煩悩を食べ尽くすという意味があります。
この記事では、そんな馬頭観音の見分け方や起源・信仰について紹介します。
馬頭観音を知ることで、お寺への参拝がより楽しく深い体験になるはず。
ぜひ最後までお読みください。
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馬頭観音は頭の上に馬を備えた仏様
馬頭観音は頭の上に馬を備えた仏様です。
馬頭観音はその名の通り、頭上に馬の頭を乗せ、怒った顔(憤怒相:ふんぬそう)をしています。
頭の上に馬があれば馬頭観音です。
馬頭観音は、他の観音菩薩と異なり、怒った顔をしています。
この怒った顔のことを憤怒相と呼びます。
主に人々から煩悩を断ち切る役割を持つ「明王」というカテゴリーの仏様は憤怒相をしていることが多いです。
【煩悩を雑草のように食べ尽くす】馬頭観音の起源と信仰
馬頭観音はその名の通り頭の上に馬を載せていることから、馬が雑草を食べ尽くすように、人々の煩悩を食べ尽くす仏様とされています。
サンスクリット語でハヤグリーヴァ(hayagriva)の訳であり、「ヒンドゥー教のヴィシュヌ神が馬の頭に変化し敵を倒した」という伝説を仏教に取り込んで成立したとされています。
また、憤怒相を持ち、人々のすべての煩悩を断ち切る力を持つとされていることから馬頭明王とも呼ばれます。
人々の願いによって姿を変える観音菩薩の変化した形の一つとして、中国や日本に伝わりました。
日本では、あまり仏像の作例が見られないことから盛んに信仰されていたわけではないとされています。
しかし、私たちが輪廻転生する六道のうち畜生道を救う仏様ということや、頭上に馬を備えた特徴的な姿から、民間においては馬の守り神として信仰されています。
馬の冥福を祈ったり、馬で通る道の交通安全を祈るために、道端に馬頭観音の石仏が作られ、現在でも稀に見ることができます。
馬頭観音が有名なお寺
観世音寺(福岡県):木造馬頭観音立像
この仏像は平安時代に作られました。
平安時代以前に制作された馬頭観音は非常に少なく、その中でも高さが5mを超える唯一の仏像です。
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中山寺(福井県):馬頭観音菩薩像
こちらの仏像は、33年目とその中間にあたる17年目にご開帳される秘仏です。 次回のご開帳は2028年です。
ここまで、馬頭観音のことについて詳しく解説してきました。
見分け方や、頭に馬を乗せる姿になった背景がわかりましたね。
馬頭観音は、大きく分けて「如来、菩薩、明王、天部」の4つに分類される仏様の中で、上から2番目の菩薩と呼ばれるカテゴリーに属しています。
ここからは「菩薩とは何なのか?」また、「観音菩薩とは何なのか?」について簡単に解説していきます。
菩薩は悟りを開く前の存在
菩薩(ぼさつ)は、悟りを求めつつ人々を救済する、出家前のお釈迦様の姿をしている仏像です。
「菩薩=悟りを開く前」と覚えましょう。
出家前のお釈迦様はインド釈迦族の王子であったため、
如来と比べて綺麗な服装やアクセサリーを付けていて、千手観音も煌びやかな姿をしています。
菩薩にもたくさんの種類がありますが、中でも有名なのが観音菩薩です。
では、観音菩薩はどんな存在なのでしょうか?
さまざまな姿に変化する観音菩薩
観音菩薩は、「音を観る」という名の通り、世の人々の声を聞き、その悩みや苦しみから救う仏様です。
一般的な菩薩との違いは、人々の声に対応するために様々な姿に変化することです。
例えば、頭上に馬の頭をつけた馬頭観音は、雑草を食い尽くすように一切の煩悩をなくすために姿を変えています。
また、様々な姿に変化した観音菩薩をまとめて「変化観音(へんげかんのん)」と呼びます。
六観音:6つの世界を救う観音菩薩のチーム
仏教では、私たちは6つの世界を生まれ変わりながら徳を積んでいき、最終的には全てから解放された世界を目指します。
六観音は、その六つの世界それぞれに対応した観音菩薩のことです。
その中でも千手観音は常に渇きと飢えに苦しむ世界である餓鬼道を救う仏様でもあります。
詳しくはこちらの菩薩の特徴や見分け方の記事で解説しています!
>>【初心者必見】菩薩の見分け方ガイド!観音や弥勒など菩薩の種類と役割を徹底解説
終わりに
ここまで馬頭観音の見分け方や役割について解説してきました。
その名の通り頭の上に馬の頭をつけ怒った顔をした「馬頭観音」
他の観音菩薩とは異なる特徴を持つ姿にはたくさんの意味が込められています。
仏像に込められた教えや物語を知ることで何気なく手を合わせていた仏像から、新たな学びや感動を得られるはずです。
ぜひ、この機会に仏像を見にお寺に参拝してみてはいかがでしょうか。
お寺に参拝した際には、ホトカミにも投稿してくださいね!
初心者からマニアまで、これを読めば仏像がもっと楽しくなる!
神社お寺の検索サイト「ホトカミ」運営代表
吉田 亮
月間120万人の神社お寺ファンが使う神社お寺の検索サイト「ホトカミ」を運営する株式会社DO THE SAMURAI代表取締役。
東京大学理科II類入学後、文学部言語文化学科日本語日本文学(国語学)専修課程卒業。
2013年より日本文化や歴史を後世に繋ぐ事業を開始、2016年法人化。
これまで2000人以上の参拝者との対話や、累計1000万アクセスを超えるお参りに関する記事の執筆編集、100年後に神社を残すために社会と神社の接点を創出する。
ホトカミ編集部 御朱印記事ライター
高原 健太郎
日本文化や神社お寺が好きです。
独特の雰囲気に魅了されてから、寺社めぐりが趣味になりました。
イラストレーター
田中ひろみ
絵文人・仏像研究家(株)TERABIT代表、奈良市観光大使女子の仏教サークル「丸の内はんにゃ会」代表。
カルチャー センター講師。元ナース。テレビ出演、講演も多数。ART ・俳句・盆踊らー
著書 『イラストレーターが作った仏像ハンドブック』(ウェッジ) など約70冊
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