アジアに根付くさまざまな仏教
仏教は2500年前にお釈迦さまによって開かれてから、日本だけではなく世界中の国々で信仰されている宗教です。
様々な国に広まっていく過程で、その土地の風習などを取り込みながら変化してきました。
それにより、世界の仏教のスタイルやお寺の形は、それぞれ全く違うものになっています。
日本には日本仏教の特徴があるように、世界の仏教にはさまざまな特徴があります。
今回は、アジアでみられるさまざまな仏教を紹介します!
横井 郷
愛知県出身の仏教系大学生。一般家庭出身だがさまざまなご縁により仏教に興味を持ち、
あらゆる視点から仏教の可能性を追求している。
好きな仏さまは蔵王権現(ざおうごんげん)。
仏教の二つの流れ
仏教はインドで生まれたのち、世界各地へ広まっていきました。その中でも、シルクロードを通って中国、日本などに流れた仏教が大乗(だいじょう)仏教です。それに対してスリランカやタイなどに流れた仏教が上座部(じょうざぶ)仏教です。
大乗仏教ではお地蔵さんや観音さんなど、たくさんの仏さまを信仰し、人々を救うことに重きを置くのに対し、上座部仏教では仏さまは基本的にお釈迦さまただ一人を信仰し、自分の修行に重きを置く、といった違いがあります。
それでは、東南アジアや南アジアでみられる仏教について見ていきましょう!
東南アジアの独特な仏教
東南アジアでは、仏教は多くの人々に信仰されています。
タイでは国民のほとんどが上座部仏教徒であり、憲法により王様が仏教徒であることが決まっています。つまり、仏教がタイの社会や生活にとって欠かせない存在となっています。
ベトナムでは、上座部仏教が多い東南アジアの中では珍しく、中国の影響を受けて大乗仏教が信仰されています。
日本のようにはっきりと宗派に分かれているわけではないですが、禅の教えと浄土の教えがまじりあい、ベトナム独特のスタイルになっています。
ほかにも、ミャンマーやラオス、カンボジアなどでも仏教は信仰されています。
また、現代のインドネシアはイスラム教徒が多い国ですが、世界遺産にもなっているボロブドゥール遺跡は仏教の遺跡で、今も多くの観光客が訪れています。
数ある東南アジアの仏教国の中でもタイは日常生活の中に仏教があり、街中では毎朝托鉢(たくはつ:一般の信者からお布施として食事などをいただくこと)しているお坊さんを見かけることができます。
また、タイではお坊さんは非常に尊敬されており、公共施設や電車・バスなどには僧侶専用席が用意されているほどです。
南アジアで守り続けられる仏教
お釈迦さまが生まれたネパールや、お釈迦さまが布教活動をしていたインドは、今では仏教は少数派になってしまいました。
ですが、インドの南に浮かぶ島国のスリランカでは、現代でも多くの人々により仏教が信仰されています。
スリランカには古代に作られた巨大な仏塔が残っており、現代でも観光客とともに多くのお坊さんや信者が集まり、祈りをささげています。
また、現代では仏教徒が少数派になってしまったネパールやインドでも、お釈迦さまにまつわる仏教の遺跡が今でも残っています。
遺跡は仏教徒により整備され、世界中からお釈迦さまの足跡を巡るために、多くの巡礼者が訪れています。
おわりに
いかがでしたか?
世界の仏教にはさまざまな形があり、文化や風習が異なるたくさんの人たちによって信仰されています。
お釈迦さまが仏教を開いてからおよそ2500年、その間にかなり形や考え方も発展し、変化していきました。
もとは同じ教えでも、文化や風習が違うと全く違う宗教のように感じてしまいます。
ですが、仏さまの教えを大切に守っていることには変わりありません。
私が海外のお寺に行ったとき、現地の方が合掌して仏さまを拝んでいる様子をみると、「あ、一緒なんだな」と、周りの人たちとの一体感を感じました。
もし海外旅行で仏教国に行くことがあれば、ぜひお寺を訪れて、現地の人々の生活と信仰に触れてみてはいかがでしょうか?
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