本松寺のお参りの記録(1回目)
東京都早稲田（メトロ）駅

本松寺は、東京都新宿区喜久井町にある日蓮宗の寺院で、長久山と号します。天正19年（1590年）に創建され、開山は真蔵院日念上人（承応2年〈1653年〉寂）と伝えられています。

● 本松寺の歴史

本松寺は、創建当初の所在地は不明ですが、一時的に市谷尾張殿五段長屋にあったとされます。その後、現在の地に移転しました。天和3年（1683年）には高田へ移ったとの記録もあり、時代とともに変遷を重ねてきたことが伺えます。

● 「牛込區史」に記される本松寺

『牛込區史』によると、本松寺は伊豆・玉澤妙法花寺の末寺として天正19年に創建されました。開山の真蔵院日念上人は承応2年（1653年）1月26日に入寂し、その後、元禄12年（1699年）には中興開山の日観上人が遷化しています。また、かつての境内は拝領地として319坪あったと記録されています。

● 『東京名所図会』に見る本松寺

『東京名所図会』には、本松寺の本堂が塗込造りで、破風に獅子の彫刻が施され、金字で「願満」と書かれた大額が掲げられていると記されています。また、本松寺には「願満の祖師」と呼ばれる像が安置されており、特に毎年土用の丑の日には「焙烙の炙（ほうろくのあぶり）」と呼ばれる行事が行われていたと伝えられています。