柳稲荷大明神のお参りの記録(1回目)
東京都牛込柳町駅

神宮球場での野球観戦。応援していたチームは残念ながら完敗、まさにコテンパンにやられてしまいました。球場を後にする足取りはやや重く、心にも小さな雲がかかっていたように思います。しかし、気分を入れ替えようと意識的に深呼吸。帰り道では、ちょうどランイベントが開催されており、沿道を駆け抜けるランナーたちに「がんばって！」と声をかけながら、少しずつ気持ちを前向きに戻していきました。

信濃町駅から曙橋方面へ向かう途中、ふと気になった横道に入ってみたところ、偶然にも小さな神社と出会いました。柳稲荷大明神です。すでにイベントでの拘束時間外ということもあり、時間に追われることなくゆっくりと参拝できました。

柳稲荷大明神は、東京都新宿区市谷薬王寺町に鎮座。最寄りは都営大江戸線牛込柳町駅で、徒歩およそ5分ほど。狭い道路に面した境内は、鳥居と社殿がほとんど隣り合わせのように配置されており、限られた空間を巧みに活かしています。その簡素ながらも整った姿に、都心の中に息づく信仰の静けさを感じました。

このような配置を目にすると、ふと月島で訪れた柏山稲荷神社を思い出します。あちらはさらに限られた敷地に鳥居と社殿が寄り添うように建てられており、都市の中で祈りの場を守り続けるという共通点があります。柳稲荷もまた、そんな都市の記憶の中にひっそりと存在する、温かな祈りの空間でした。