鳩森八幡神社のお参りの記録(3回目)
東京都北参道駅

新宿区西早稲田に鎮座する穴八幡宮への参拝を終えた後、私はそのまま徒歩で千駄ヶ谷の鳩森八幡神社まで足を延ばしました。本来であれば、都営バスの「81系統」を利用すれば、鳩森八幡神社のすぐそばに停車するバス停まで一気に運んでくれるため、とても便利なのですが、この日はあえて歩くことを選びました。天候も穏やかで、時間的にも余裕があったので、街並みを眺めながら歩を進めるのも悪くないと思ったのです。

境内に到着すると、そこにはいつもと変わらぬ鳩森八幡神社の姿がありました。参道を行き交う人々の姿は絶えず、地域の方々や参拝に訪れる人々でにぎわっており、都会の真ん中にありながらも神域ならではの落ち着いた雰囲気が漂っています。小さな境内ながらも、将棋堂や富士塚など特色ある見どころが多く、立ち寄るたびに発見があります。

特に鳩森八幡神社と将棋との結びつきは広く知られています。境内には「将棋堂」が建てられ、棋士や将棋ファンが勝負運を祈願する姿をよく目にします。すぐ近くには日本将棋連盟の本部である「将棋会館」があり、まさにこの地域全体が将棋文化の拠点といった趣を見せています。そう考えると、鳩森八幡神社と将棋の縁の深さを改めて感じずにはいられません。

そのときふと頭をよぎったのが、神社近くを通る都営バスの「81系統」という路線番号でした。将棋盤のマス目の数が81であることは有名ですが、その数字と鳩森八幡神社、さらには将棋会館との距離の近さを思うと、何か不思議な因縁を感じます。もちろん、路線番号の「81」が偶然の産物である可能性が高いのでしょうが、将棋の聖地ともいえるこの場所で「81」という数字を目にすると、ただの数字以上の意味を宿しているように思えてきます。こうした偶然の重なりを、ちょっとした縁起や遊び心として楽しむのも、参拝や散策の醍醐味といえるのかもしれません。