正法庵のお参りの記録(1回目)
東京都亀有駅

正法庵は東京都足立区中川にある曹洞宗の寺院で、山号を俊光山と称します。この寺院は元禄年間（1688-1704）に創建されたと伝えられ、後に一度廃寺となりますが、1805年に智生尼と智苗尼によって再興されました。その後、地域の教育活動に貢献したことでも知られています。

● 寺院の歴史と再興

正法庵は元々、黄山春鶯によって開山され、元禄年間に創建されたとされています。しかし、地震によって荒廃し、無住となった時期がありました。その後、1805年に越後から修行の旅をしていた智生尼と智苗尼が、この廃寺を再建することを決意し、四畳半の茅屋を建立して寺を復興しました。この再興を契機に、正法庵は再び地域の人々に信仰の場として親しまれるようになりました。

● 子弟教育への貢献

正法庵は、教育に力を入れた寺院としても知られています。特に第三世の智恵諦定尼は、1853年に寺子屋を開設し、近隣の子供たちに読み書きを教えました。この寺子屋は地域社会に大きな影響を与え、その後、明治6年（1873年）には私立小学校「中島学校」に改組されました。智恵諦定尼はその校主として、1887年まで地域の子弟教育に尽力しました。

● 正法庵の文化的背景

正法庵は、宗教的な活動に加えて、文化面でも重要な役割を果たしてきました。特に、地域の教育活動においては、江戸時代末期から明治時代初期にかけて、寺院としての枠を超えて社会貢献を行いました。