武蔵野八幡宮のお参りの記録(12回目)
東京都吉祥寺駅

東京都武蔵野市に鎮座する武蔵野八幡宮。日没後の参拝です。神無月、虫の声もひと気は高らかです。拝殿にお参りして境内社にもご挨拶。境内社は７柱。経験上、境内社はそれぞれ社殿が分かれていますが、こちらは合祀して一つに。時間に追われる現代人にとって、一度のお参りで7社分のご利益を授けてくださる神様のフレキシブルさに感謝。


東京都武蔵野市に鎮座する武蔵野八幡宮を訪れたのは、日没後の静けさが街に広がる頃でした。神無月の澄んだ夜気の中、境内に足を踏み入れると、あたりは人影もまばらで、虫の声だけが高らかに響き渡り、かえって境内全体を清らかに包んでいるように感じられます。昼間の喧噪から切り離されたその空間は、まさに都会の中の聖域といえるでしょう。

まずは拝殿へと進み、心を込めて一礼。暗がりに浮かび上がる社殿の輪郭は、日中とはまた異なる趣を見せ、厳かな雰囲気を醸し出しています。その後、境内に祀られている境内社へと足を運びました。数えてみると、そこには七柱の神々がお鎮まりになっています。

これまでの参拝経験では、境内社といえばそれぞれが小さな社殿を構え、独立して並び立っている姿をよく目にしてきました。しかし武蔵野八幡宮では、七柱の神々が一つの社殿に合祀されており、その姿は比較的珍しく感じられます。一度の参拝で多くの神様へご挨拶ができるというのは、現代社会の慌ただしい暮らしを送る人々にとって、大きな恵みともいえるでしょう。

時代に即した柔軟さをもって、参拝者を受け入れてくださる神々の寛大さに、ただただ感謝の思いが湧いてきます。虫の音に耳を傾けながら手を合わせていると、ほんの短い時間ながらも、心がすっきりと整い、日々の忙しさの中に見失いがちな静けさを取り戻すことができました。武蔵野の夜空の下、境内を後にする時、何ともいえない温かな余韻が胸に残っていました。