武蔵野八幡宮のお参りの記録(8回目)
東京都吉祥寺駅

武蔵野八幡宮へ参拝。この度は御守を拝受するためである。境内に足を踏み入れると、緑豊かな大木が迎えてくれ、木漏れ日が石畳に柔らかく差し込んでいた。参道を歩きながら、鳥居の向こうに広がる静けさと街の喧騒との対比に、自然と心が落ち着いていくのを感じた。

御守について少し振り返ると、一般的に御守は一年経ったら返納することになっており、その際には一年間の感謝を伝える「お礼参り」と呼ばれている。返納場所は、その御守を拝受した神社やお寺が基本だが、寺社によって受け入れ方法は千差万別で、文字通りそれぞれの考え方や姿勢が表れており、見比べてみるのも興味深い。例えば、神社によっては古い御守を返納用の箱に入れるだけでよいところもあれば、社殿に参拝してから返納することを求めるところもある。あるいは、返納品に注目すると、神社のもののみ可。お寺のもののみ可。それぞれの事情があるのだろう。

一方で、同じく拝受する御朱印は、本来はあくまでも参拝の証であり（世の中にはもっぱら収集に主眼を置いている人もいるようだが、そのことに関してはここでは立ち入らない）返納するものではない。御朱印を拝受する行為は、参拝の記録として自分の中に残るものであり、形式上の期限や返納という慣習はない。自分にとって御守を拝受するということは、単にお守りを手に入れるというだけでなく、再びこの神社を訪れることを誓う意味合いも含まれている。返納は形式的にはどこでも可能だが、やはり感謝を伝えるのであれば、実際に拝受された神社に足を運ぶのが筋というものだろう。

自分にとって、拝受した神社への返納は鉄則であり、見方を変えれば御守を拝受する行為そのものが自分への約束や縛りとなっている。だからこそ、御守を手にした瞬間は身の引き締まる思いがし、心の中で「これからの一年間、どうかお守りください」とそっと願わずにはいられない。境内を歩く間、緑の香りや鳥のさえずり、柔らかい風に包まれながら、心の中で参拝の余韻をかみしめる。御守を拝受するという行為が、自分の中で一種の精神的な支えになっていることを、あらためて感じる瞬間でもあった。