武蔵野八幡宮のお参りの記録(6回目)
東京都吉祥寺駅

武蔵野八幡宮での参拝を終え、夕暮れ時の静かな境内を後にするひとときは、心がしみじみと落ち着く時間です。日が沈みかけた境内には、淡い照明と緑に囲まれた空気が絶妙に調和し、昼間とはまた違った厳かな雰囲気が漂います。参道を覆う高い木々の緑が、頭上で枝を重ね合い、やわらかな木漏れ日を落として道を照らします。鳥居の向こうにちらりと見える街の灯りは、日常の喧騒と神聖な空間との境界を静かに示しているようです。その景色を眺めながら歩いていると、自然と呼吸が落ち着き、心の中がゆるやかに整理されていくのを感じます。

武蔵野八幡宮の境内は、木々の緑や土の香り、鳥のさえずりまでもが重なり合い、五感を通して神域の静けさを伝えてくれます。参拝を終えた後も、鳥居の手前に立ち止まり、少しの間その場を眺めると、まるで日常の時間がゆっくりと引き延ばされるような感覚を覚えます。静寂の中で心を整え、今日この場所に来られたことへの感謝や、これからの日々への思いをそっと胸に収める瞬間は、何ものにも代えがたい貴重な時間です。

そして鳥居をくぐる瞬間には、神聖な空間から日常へと戻る節目を実感します。台石にしっかりと支えられた明神鳥居の柱は、太く力強く、水平に架けられた笠木や、しっかり通された貫の造りが安定感を際立たせています。その存在の力強さに背中を押されるような気持ちになり、心が清々しく整えられるのです。日常に戻るとはいえ、参拝で得た静けさや落ち着きは体の奥に残り、日々の暮らしの中での小さな支えや、新たな活力として感じられます。夕暮れの境内で過ごした時間の余韻が、いつまでも心の中で静かに響き続けるのです。