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むさしのはちまんぐう

武蔵野八幡宮のお参りの記録(4回目)
東京都吉祥寺駅

投稿日:2025年08月29日(金) 06時36分19秒
参拝:2023年8月吉日
五日市街道に面して鎮座する武蔵野八幡宮。車や人の往来が途切れることのない街道沿いにありながら、鳥居をくぐった瞬間に、外の喧噪とは隔絶された静謐な空気が漂い始めます。境内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは、頭上を覆い尽くすようにそびえ立つ大木の数々。その幹は堂々と太く、枝葉は重なり合って大きな天蓋を形作り、参道を歩く人々を優しく包み込んでいます。

これらの木々がどれほどの年月を経てここまで成長したのか、素人には見当もつきません。しかし、木々の梢から空が大きく開け、遠くの山々や街並みまで見渡せた時代もかつてはあったのだろうと想像すると、悠久の時の流れを感じさせられます。こうした樹々は、ただ自然のままに存在してきたのではなく、代々の人々が境内を大切に守り続けてきた歴史そのものを体現しているようにも思えます。参拝者の祈りや願いを見守り、その声を静かに受け止めながら、今に至るまで共に歩んできたのではないでしょうか。

参道をさらに進むと、木々の合間から社殿がゆるやかにその姿を現します。鮮やかな赤い柱が凛と立ち、屋根は優美な曲線を描きながら、神社建築特有の端正な美を備えています。その一方で、どこかに力強さと個性を感じさせる造形は、単なる宗教施設にとどまらず、この地の精神的支柱としての存在感を放っているかのようです。

特に目を引くのが社殿へと至る階段です。一歩一歩踏みしめながら登る行為そのものが、日常から聖域へと移ろう「儀式」のように感じられます。一段ごとに俗世の思いが少しずつそぎ落とされ、心が澄んでいくような感覚に包まれます。物理的な高低差が精神的な高まりを伴い、参拝者に「神域へ近づいている」という意識を自然に抱かせるのです。

長い年月のあいだ、社殿は風雪に耐え、幾度もの世代交代を経てもなお、同じ場所に在り続けています。その静かな佇まいは、「変わるもの」と「変わらないもの」の対比を私たちに示しているのかもしれません。そして、今日もまた誰かがこの階段を登り、社殿と向き合い、祈りを捧げることで、新たな一頁が積み重ねられていくのでしょう。
武蔵野八幡宮(東京都)
武蔵野八幡宮(東京都)
境内社

すてき

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