正光寺のお参りの記録(1回目)
東京都赤羽岩淵駅

正光寺（しょうこうじ）は、東京都北区岩淵町にある浄土宗の古刹で、正式名称は「天王山淵富院正光寺」。鎌倉時代、浄土宗第三祖・良忠上人を開山、石渡民部少輔保親を開基として創建された。当初は「西光寺」と称し、荒川のほとりにあった。

● 小田切将監による再建
寺は一度衰退したが、慶長7年（1602年）、小田切将監重好と眞譽龍湛上人により現在地に移転・再建された。重好の法号にちなみ「正光寺」と改称され、眞譽龍湛上人を中興開山第1世と数える。

● 本堂焼失と再建
昭和54年（1979年）、失火により本堂が焼失。長らく更地のような状態が続いたが、法然上人八百年大遠忌を機に再建が決まり、2011年に本堂を含む諸堂が完成した。現在の建物はすべて近年の再建によるものである。

● 本尊と観音像
本尊・阿弥陀如来は春日仏師の作と伝わり、観音堂の観音像は源頼朝の守本尊とされ、行基作と伝えられる。ただし、いずれも確証はない。

● 岩淵世継大観音
境内の「岩淵世継大観音」は、明治3年（1870年）に建立された高さ約10メートルの観音像。度重なる荒川の洪水や疫病に苦しむ人々が、供養と祈願のために銅鏡・銀のかんざし・金の指輪などを寄進し造立した。地域の願いが込められた像である。

● 境内の景観と施設
山門前には「大観音」「正光寺」の石柱が立ち、松の庭を抜ける石畳の参道が観音像まで続く。境内には本堂、観音堂、水子地蔵尊、慰霊碑、筆塚、永代供養墓「赤羽岩淵浄苑」などが整備されている。