宗四郎稲荷大明神のお参りの記録(1回目)
東京都茗荷谷駅

宗四郎稲荷大明神は、東京都文京区小日向にひっそりと鎮座する稲荷神社です。東京メトロ丸ノ内線の高架が神社のすぐ脇を走っており、列車が通過するたびに、鉄輪とレールが擦れ合う音が境内に響き渡ります。その音は決して騒がしいものではなく、むしろこの場所が都心にあることを静かに思い出させてくれる存在のようにも感じられます。

神社は、細い路地が交差する曲がり角に生まれた三角形の敷地を境内としています。決して広くはありませんが、その限られた空間に、きちんと神域としての佇まいが保たれています。街の隙間に大切に残された場所、といった印象を受けます。

境内でとりわけ目を引くのは、聳え立つ木々です。いずれも日本の木で、長い年月この地を見守ってきたことがうかがえます。なかでも一本の木は、すぐ横を走る丸ノ内線の高架とほぼ同じ高さまで成長しており、幹は驚くほど真っ直ぐに、天へ向かって伸びています。列車がその脇を走り抜ける様子と、空へと伸びる木の姿が重なり合い、人工物と自然とが不思議な調和を見せる光景を生み出しています。

都市の喧騒のただ中にありながら、ここには確かに静かな祈りの場としての時間が流れており、足を止める者に穏やかな余韻を残してくれる神社です。