蓮久寺のお参りの記録(1回目)
東京都白山駅

蓮久寺は、東京都文京区白山に位置する日蓮宗の寺院で、山号を「朗昌山」と称します。この寺院は、池上本門寺十一世の日惺上人が天正19年（1591年）に創建したものです。日惺上人は、二条関白昭実公の御子であり、朗惺寺など他の寺院の開山にも関わった名僧として知られています。

●蓮久寺の歴史
蓮久寺は、創建当初は神田明神下にありましたが、寛永元年（1624年）に谷中へ移転、その後元禄16年（1703年）に現在の地へと引き移されました。明治時代には第27世住職日薩が私塾「鶏渓精舎」を開き、多くの人材を輩出しました。この精舎の出身者の中には、日蓮宗管長や立正大学学長となった者もいます。

●蓮久寺の寺宝と墓所
蓮久寺の本尊は釈迦多宝如来一塔両尊で、宗祖である日蓮の坐像も寺宝として大切にされています。また、境内には日本製鐵の元社長三鬼隆や、華道「古流松藤会」の初代家元池田菊造、根付師山田法実といった著名人の墓所があります。

●蓮久寺の境内と拝領地
蓮久寺の境内は、かつて千六百十三坪余りの広さを誇りました。現在の本堂は明治12年に建立されたものです。境内には日蓮宗の教えを学ぶための静かな環境が整っており、訪れる人々に安らぎを提供しています。

●地域との関わり
蓮久寺は、文京区の鶏声ヶ窪に位置し、この地域の歴史や文化にも深く根ざしています。「小石川區史」や「東京名所図会」などにも記載があり、周辺には同じ日蓮宗の大乗寺や福相寺も立地しています。これらの寺院と共に、地域の信仰と文化を支えてきた存在です。

●蓮久寺の特徴
開山の日惺上人は、二条関白昭実公の御子という由緒ある家柄で、宗教的指導者としても高い評価を受けています。また、寺内には歴史的な記録や伝説が多く残されており、訪れる人々に過去の日本の宗教文化を垣間見せる機会を提供しています。