さくら稲荷のお参りの記録(1回目)
東京都調布駅

さくら稲荷神社は、東京都調布市布田に鎮座しています。京王線調布駅から徒歩わずか3分という、きわめて便利な立地。駅前から伸びる飲食店街の一角、まさに「飲屋街の真ん中」といってよい場所に位置しています。周囲には居酒屋やスナック、昔ながらの小料理屋などが軒を連ね、夜ともなれば赤ちょうちんの灯りが境内にまで届くほど。喧騒の中にありながら、鳥居をくぐるとふっと空気が変わり、そこにだけ静謐が保たれているのが印象的です。

境内はこぢんまりとしており、社殿も比較的簡素な造りですが、鳥居と祠がきちんと整えられ、手入れの行き届いた清々しさがあります。いわゆる「街中の小さなお稲荷さま」といった趣で、華美さはないものの、生活の中に溶け込んだ庶民信仰の息づかいが感じられます。

また、商売繁盛・五穀豊穣を司る稲荷神が、飲食業の集まるエリアに鎮まっているというのは、まさに理にかなった組み合わせです。昼は通勤通学の人々が行き交い、夜は酔客が参道を通り過ぎていく――そんな日常の循環を静かに見守るように、さくら稲荷は今日もそこに佇んでいます。