秋葉神社のお参りの記録(1回目)
東京都唐木田駅

東京都多摩市中沢に鎮座する秋葉神社。最寄り駅は小田急多摩線の唐木田駅で、そこから徒歩5分ほどの距離にある。駅を出てほどなく、小田急線の線路と閑静な住宅街のあいだに挟まれるように、こぢんまりとした社域が現れる。車の往来は少なく、周囲には新しい住宅が多いものの、境内に一歩足を踏み入れると、どこか時がゆるやかに流れているような静けさに包まれる。

境内は広くはないが、きちんと整備されており、左手に秋葉神社の社殿、右手に稲荷社が並び立つ二柱構成となっている。

境内には由緒書が設置されており、その中に「上杉憲政」の名が見られる。戦国時代の関東管領として知られる人物であり、そこから推して、この神社の創建は16世紀中頃と考えられる。由緒書にはまた、境内に併設されている地蔵堂や庚申塔、そしていくつかの祠についての説明も記されている。これらはいずれも、この土地が古くから人々の信仰の対象であり、生活と密接に結びついてきたことを示している。

現代の住宅地にすっかり囲まれながらも、秋葉神社は今なお、往時の信仰の痕跡を静かに伝えている。電車の音がかすかに聞こえる境内で手を合わせると、かつてこの地を守ってきた人々の思いが今も息づいていることを感じることができる。