臨川寺のお参りの記録(1回目)
東京都清澄白河駅

臨川寺（りんせんじ）は、東京都江東区にある臨済宗妙心寺派の寺院で、瑞甕山と号しています。その創建は承応2年（1653）に遡り、鹿島根本寺の仏頂禅師が草庵を結んだことから始まりました。仏頂禅師は、寺領を巡る争いのために一時的にこの地に住まいを設け、後に師である冷山和尚を開山として、正徳3年（1713）に正式に寺院として成立しました。

●歴史的背景

臨川寺の起源は、鹿島根本寺と鹿島神宮との間での寺領争いに関係しています。この争いは仏頂禅師が幕府に訴え、最終的には寺領の返還を勝ち取ることで解決しました。仏頂禅師はその後、この草庵を寺院に昇格させるために尽力し、深川地域の発展に寄与しました。

●松尾芭蕉との関係

臨川寺は特に松尾芭蕉との関係で知られています。芭蕉は延宝8年（1680）に深川に移住し、仏頂禅師と親交を深めました。彼の詩作に禅の影響を与え、芭蕉庵と呼ばれる草庵が臨川寺の近くにあったことで、二人の交流は一層深まりました。境内には「玄武仏碑」や「梅花仏碑」、「墨直しの碑」、「芭蕉由緒の碑」など、芭蕉に関連する石碑が多く残されています。

●芭蕉の足跡

臨川寺には、芭蕉が師と仰いだ仏頂禅師との交流を記念した碑が存在し、また彼の木像も安置されています。残念ながら、大正12年の関東大震災で原本は焼失しましたが、昭和63年に復元されたものが現在も見られます。芭蕉の紀行文『鹿島詣』には、彼と仏頂禅師との交流や詩が記されております。