西光寺のお参りの記録(1回目)
東京都森下駅

東京都墨田区に位置する浄土宗寺院の西光寺は、東日山正明院と称され、慶長11年（1606年）に創建されました。開基は地域の開拓と海苔の製造に従事していた小林冶郎右衛門であり、増上寺の源蓮社信誉重故栄松和尚を開山として迎えました。

●創建の背景

西光寺の創建は、当時の地域社会の発展を背景にしています。小林冶郎右衛門は、大阪から移住し、海辺の新田開拓に尽力していました。彼は後に出家し、「然蓮社湛誉休西比丘」と名乗ります。この寺院は、浄土宗の教えを広める重要な拠点となり、江戸時代には寺子屋を開設して地域教育にも貢献しました。

●災害と復興

西光寺は、数度の大火や震災、戦災に見舞われながらも、その都度復興を遂げてきました。明治時代後半には、第十六世住職の渡辺海旭和尚がドイツに留学し、仏教学の博士号を取得。その後、日本の近代社会事業の先駆者として活躍し、深川に浄土宗労働共済会を設立しました。

●現在の姿

現在の本堂は、1995年に再建されたもので、阿弥陀如来を本尊として祀っています。西光寺は、歌舞伎俳優や落語家などの著名人の墓所も多く、文化的な意義も持ち合わせています。境内には浄土宗の開祖である円光大師の御詠歌碑や、初代竹本東猿塚などの歴史的な遺物も残されています。