華蔵院のお参りの記録(1回目)
東京都新御徒町駅

華蔵院（けぞういん）は、東京都台東区に位置する天台宗の寺院であり、青山善光寺と同じく善光寺の東京別院です。

●創建と中興

華蔵院の創建年代は明確ではありませんが、1611年（慶長16年）に傳長法印によって中興されたことが記録されています。当初は田所町に存在していたとされ、その後、谷寺町、そして最終的に現在の地に移転しました。正保元年（1645年）には、現在地へと引っ越し、今に至ります。

●幕末の歴史的背景

華蔵院は、幕末の上野戦争の際に戦死した官幕両軍の菩提を弔うために、地蔵尊が建立されている点も特徴的です。

●善光寺との関係

1902年（明治35年）には、長野の善光寺から善光寺式の阿弥陀三尊を勧請し、正式に善光寺の東京別院となりました。このことにより、多くの信者が善光寺への参詣を行う講を設立し、団体専用列車が長野駅まで運行されるなど、華蔵院は善光寺信仰の拠点として重要な役割を果たしました。
しかし、昭和初期の戦時体制の影響を受け、次第にこの活動は衰退していきました。現在でも、7年に一度善光寺に参詣する行事が行われています。

●戦争と復興

1945年の東京大空襲では、華蔵院の伽藍がすべて焼失してしまいましたが、戦後に毛利家から祖霊殿が譲られ、本堂として使用されています。

●現在の華蔵院

華蔵院は「宝光山影現寺」と号し、現在でも多くの参拝者を迎えています。本尊は立木の阿弥陀如来です。境内には稲荷社もあります。