東妙寺のお参りの記録(1回目)
佐賀県吉野ケ里公園駅

吉野ヶ里町田手にある真言律宗のお寺。
吉野ヶ里遺跡へ向かう途中で立ち寄りました。正面から参拝する際は目の前に長崎本線の線路が通っているので地下通路を通って向かいます。後宇多天皇の勅願寺で元寇において蒙古掃討と降伏退散を祈願して建てられました。昔はもっと大きなお寺で戦国時代の騒乱や明治時代の廃仏毀釈で被害を受けながらも現在まで貴重な文化財を受け継いできたお寺です。本堂内には東妙寺古図などの文化財が博物館の様に展示され間近で見ることもできます。
御朱印を快く書いて頂き帰ろうとしていたところ、北海道からわざわざ参拝に来てくれたということでなんと住職さんが普段非公開の本堂奥にある重要文化財の仏像を見せて頂きました！御本尊の釈迦如来坐像は運慶の作品と伝わるもので聖観音立像は弘法大師が彫った作品でなんと佐賀県内で最も古い仏像です。他にも色んな仏像を見せて頂きました。その中で気になったものは足利尊氏像。他と違い状態がかなり悪く原型を留めていません。この像は足利尊氏が後醍醐天皇と対立し九州まで落ち延びた際に本人が奉納したもの。このお寺で再起を祈願した尊氏はこの像を自分だと思って祈ってほしいと当時の住職に頼んだといいます。その後足利尊氏は室町幕府を開き東妙寺は足利将軍家から庇護を受ける様になりました。しかし時代が進み明治時代になると廃仏毀釈を行う地元の尊王攘夷派が寺に押し入り逆賊である足利尊氏の像を外へ捨ててしまい雨風に晒されて朽ちてしまったようです。元は仁王像の様な立派なものだったといいます。仏像と共にお寺に伝わる歴史まで丁寧に教えて頂き住職さんには感謝しかありません。本当にありがとうございました。