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西大寺の御朱印・御朱印帳
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#西大寺
牛玉所(ごおうしょ)殿に鎮守の牛玉所権現を祀る。
#牛玉所大権現 #牛玉所権現
HPによれば、五大明王の神仏習合の姿。また境内の掲示物に、真言は「南無 牛玉所大権現」とある。
牛玉所権現に関してHPでされている説明は全て五大明王についてのもので、あえて彼らを牛玉所権現と呼ぶ意義が気になる。
ただ、五大明王にまつわる記述は充実のひと言。
不動明王につき「梵語のアチャラナータとはシヴァの異名」と、降三世明王につき「シヴァが起源」とある。書籍ではたびたび見かける記述で僕も前から知ってはいたが、寺院ではとんと目にする機会が無かった。
シヴァとは降三世明王に調伏される大自在天のことなのだが、その降三世明王自身、持物などの点でシヴァを意識しまくっていることは、あまり知られていない気がする。なお同じことは、大威徳明王とエンマ王の関係についても言える。
他にも、大威徳明王についてはチベットの伝説を載せる。悟りを開く寸前で盗賊に殺された恨みから復讐の鬼と化し、ついには無関係の人間まで無差別に手にかけ始めた僧侶を、モンジュ菩薩が大威徳明王となって討つという内容だ。
#西大寺
屋外に南海観音と呼ばれる観音像を祀る。
HPによれば、中国の普陀山(ふださん)という島に立つ高さ33mの観音像を南海観音と呼ぶそうだ。西大寺はかねてよりあちらと交流があり、今世紀に入り寄贈された10分の1サイズの像が、ここの南海観音だと。
#南海観音
メタバースほど頻繫には耳にしないが、マルチバースという言葉がある。字義通り、複数の宇宙が存在するという考え方だ。科学的な手法でどうやって証明するのだろう。
何度も過去世で修行を重ねた如来ともなれば、アニソンみたいに一から宇宙を創造することもできるようだ。ビルシャナ如来の蓮華蔵(れんげぞう)世界、アミダ如来の極楽浄土、薬師如来の東方浄瑠璃世界などがそれにあたる。
観音さまも補陀落(ふだらく)という浄土を持つ。何かの本に、ボサツの立場で自前の浄土を有しているのは、観音さまが唯一と書いてあった。
梵語でポータラカ。チベットのポタラ宮の語源でもある。
南の海上にあるとされ、ために日本ではフダラク渡海が行われた。また西国三十三所にも、山号を補陀落山とするところが2か所ある。第17番・六波羅蜜寺(京都市東山区)と、第22番・総持寺(大阪府茨木市)だ。
案にたがえず、中国の普陀山もまたフダラクにちなんでの命名。そこの観音さまを南海観音と呼ぶのも、納得がいく。
ともあれ、南海観音という変化観音がいるわけではないようだ。
#西大寺
ご本尊は千手観音。
本堂に向かって右手に牛玉所(ごおうしょ)殿というお堂が立ち、鎮守の牛玉所権現を祀る。HPによれば、牛玉所権現は五大明王の神仏習合の姿。
僕はここ西大寺で「牛玉所殿」と墨書きされた御朱印も受けたが、これには7つの梵字が確認できる。不動明王のカーンが2つ、降三世明王と金剛ヤシャ明王のウーンが合わせて2つ、グンダリ明王のウン、大威徳明王のキリーク、ビシャモン天のバイだ。
HPによると、牛玉所殿は不動明王とビシャモン天の像も安置しているらしい。彼らは元々、讃岐のコンピラさまの本地仏として、松尾寺(香川県仲多度郡琴平町)で祀られていた。明治の廃仏毀釈がコンピラさまにまで至った時、不動明王らは松尾寺から救出され、幾度か居所を変えたのち西大寺を安住の地とした。
僕は以前、松尾寺へも参拝した。あちらで御朱印と一緒に宝暦を頂いて、これに寺院のことが軽く書かれていた。それによれば神仏習合の時代、讃岐のコンピラさまには6つの塔頭があったが、明治の廃仏毀釈でうち5つが廃寺になり、松尾寺だけが残ったと。
この宝暦には、不動明王やビシャモン天に対する言及は無い。
かつて、由加山(岡山県倉敷市)、讃岐のコンピラさま、ここ西大寺の牛玉所権現を巡礼する三社参りの風習があったという。だとしたら、讃岐のコンピラさまの本地仏が現在は牛玉所権現と共にあるのも何かの縁か。
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