『西暦1180年代源平戦の頃、宇治川の先陣争いで勇名をはせた佐々木四郎高綱が、戦後遁世の心を起し、越後に配流されていた親鸞聖人の徳を慕って訪れ弟子となり法名了智と称し、信濃国筑摩郡栗林村に一宇を建立し、一生を終えたという。

　延徳二年(1490)了智の子孫染香庵了善が越後国大面ノ荘矢田村に移って一宇を建立し霊光山西窪滝井光善寺と称した。これが今日に至る当山である。

当初願生寺末であったが、貞享二年(1685)中本寺の資格を与えられ本願寺直末となった。以来本山直末の「矢田の御坊様」といわれるようになった。鐘楼に吊られている梵鐘は三代目で、最初のものは、慶安年間の鋳造といわれ、二代目は天保年間に再鋳されたが大東亜戦で昭和十七年供出、現在のものは戦後に新鋳されたものである。』