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水主神社・樺井月神社・衣縫神社の御由緒・歴史
京都府 富野荘駅

ご祭神《水主神社》
 天照御魂神
 天香語山命
 天村雲神
 天忍男神
 建額赤命
 建筒草命
 建多背命
 建諸隅命
 倭得玉彦命
 山背大國魂命
《樺井月神社》
 月読命
《衣縫神社》
 大縫命
 小縫命
ご神体不詳
創建時代不詳
創始者不詳
ご由緒

水主神社は往古の由に聞こえたる名神大社なり。其祭神は天照御魂神(饒速日尊)、天香語山命,天村雲神,天忍男神,建額赤命,建筒草命,建多背命,建諸隅命,倭得玉彦命,山背大國魂命の重柱にして天照御魂神は即ち火明命にて氏の高祖なり。第十世山背大国魂命にいたり、山城に移り大いに其の国に功烈あり。之を尊みて山背大国魂命という其の子孫山代水主連となり、世々其の祀りを奉せしものなり。延喜式に水主社十座並大月次新嘗と定められ、特に天照御魂神と山背大国魂命とは四季祭相嘗に預り又、祈雨大神の内に加わり、仁寿貞観の信念の頃、加茂両社松尾稲荷住吉大社など諸社と共に新年祈雨の奉幣あり。朝家御尊敬上下帰依信仰尤も厚しと伝う。

木津川の東岸、京都府城陽市水主宮馬場に鎮座する式内社で、延長5年(927年)にまとめられた『延喜式神名帳』には式内大社と格付けされ、明治時代の旧社格は府社となっています。
古くより賀茂両大社、住吉大社等と並び雨乞の神としても崇敬されてきました。
合祀された衣縫大神に大縫命(おおぬいのみこと)、小縫命(おぬいのみこと)を祀り、今なお、和裁や洋裁の聖地として信仰を集めています。
末社・樺井月(かばいつき)神社に月読命(つきよみのみこと)、野神神社に天菩日命(あまのほひのみこと)、金刀比羅宮(ことひらぐう)に大物主命(おおものぬしのみこと)。稲荷神社に倉稲魂神(うかのみたまのかみ)をお祀りしています。
また、社名及び当地の地名「水主」は『倭名類聚抄』山城国久世郡の「水主郷」の遺称です。
当社の創建年代は不明ですが、この地に居住した「水主氏」が祖神を祀ったのが当社と考えられます。『新撰姓氏録』山城国神別に『火明命』の後裔である「水主直」が登載されており、この氏族が当社を創建したものと諸説あります。
『延喜式』神名帳に十座とあり、これほど多くの神を祀る式内社は極めて異例で、その中で「水主坐天照御魂神」「水主坐山背大國魂命神」を相嘗祭に預かるともあり、少なくとも十座の内二座はこの二神だったことがわかります。
水主氏の祖神である『火明命』は別名として『日本書紀』一書に「天照国魂彦火明命」と見え、また『先代旧事本紀』には「天照国照彦天火明饒速日尊」とあります。後者は物部氏の祖神の饒速日尊と同神との扱いになっています。
水主氏と物部氏が同祖なのかは不明ながら、『延喜式』に見える「水主坐天照御魂神」とは水主氏の祖神としてのこの神を指したものと思われます。
当社の御祭神の「天照御魂神」「天香語山神」「天村雲神」「天忍男神」「建額赤命」「建筒草命」「建多背命」「建諸隅命」「倭得玉彦命」は『先代旧事本紀』に見える一系の神々であり、尾張氏と同系であることが示されています。

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