見性寺のお参りの記録(1回目)
東京都亀有駅

見性寺（けんしょうじ）は、東京都葛飾区亀有に位置する曹洞宗の寺院で、山号は直指山、寺号は見性寺です。元和6年（1620年）に対州舜境によって創建され、その後、江戸深川の慧然寺を開山した別伝宗分（1668年寂）の手によって中興されました。本尊には聖観世音菩薩が安置されており、地域の信仰の中心として親しまれています。

● 見性寺の歴史と開山

見性寺は、元和6年（1620年）、亀有の郷士・佐久間弥右衛門の協力を得て、対州舜境によって創建されました。しかし、創建から数十年後、一時期荒廃してしまいます。再興のために登場したのが、江戸深川の慧然寺（現・寒光寺）を開山した別伝宗分です。宗分はその高徳と功績により、見性寺の中興者として称されています。宗分が当地に赴いた際には、旱魃に苦しむ人々のために龍に雨を降らせるよう偈を授け、たちまち雨が降ったという伝説が残っています。

● 貉塚の伝説

見性寺には「貉塚（むじなづか）」と呼ばれる塚があります。この塚は、明治時代に常磐線が開通した際、貉が汽車に化けて遊んでいたところ、実際の汽車に轢かれて死んだことを哀れみ、地元の人々が建てたものとされています。このような伝説的なエピソードが見性寺の境内に息づいています。

● 見性寺の文化財

見性寺には、貴重な文化財や資料が多数所蔵されています。江戸時代に建立された本堂や仏像の他、正岡子規の句碑が境内に建てられており、歴史的価値が高いとされています。また、見性寺の本堂は天明6年（1786年）に再建され、その後、昭和33年に改築されました。

● 見性寺の縁起と中興の物語

見性寺の歴史を紐解くと、対州舜境による創建から始まり、その後の荒廃と中興が続きます。中興の立役者である別伝宗分は、葛西の地で人々から祈雨を請われ、その偈によって龍に雨を降らせ、地域の人々を救ったと伝えられています。