御朱印・神社お寺の検索サイト楽しみ方

耕田院の日常(425回目)山形県羽前大山駅

「蛞蝓」の断捨離

投稿日:2024年04月04日(木)
輪橋山徒然話 2024-4-4. 「蛞蝓」の断捨離

◆蛞蝓を読める人はいるだろうが、意味までわかる人はそうはいないだろう。

◆「かつゆ」と読んで「なめくじ」だ。「蛞」はおたまじゃくし。そして、「蝓」はデデムシ(dedemushi)カタツムリの別称だ。

◆「おたまじゃくし」+「ででむし」が「なめくじ」なのだ。あれ?昆虫ではないのに、いずれも虫偏だ。

◆実は、「虫」とは昆虫ばかり指すのではなく、動物の総称でもあるとのこと。鳥は羽虫、獣は毛虫、亀の類を甲虫、竜のように鱗のある動物を鱗虫(うろこむし)というそうだ。ちなみに、人間は裸虫。

◆もう一つちょっとひっかかったことがある。

◆野暮ったいナメクジが「殻を捨てたカタツムリ」という進化系だということだ。ナメクジのご先祖さまが「カタツムリ」なのである。つまり、「猿」がカタツムリで「人」がナメクジの関係なのだ。

◆カタツムリが殻を持つのをやめ、身軽なナメクジになり、自由になった。枯れ葉の下やわずかな隙間にも入れるようになった。しかし、敵からは弱くなったと思うし、見てくれもカッコよくなったわけではない。雨に濡れた紫陽花にはカタツムリが似合うし、魅力的に見える。

◆いったいこれは、進化なのか、退化なのか。この疑問を見事に解いてくれたのが東京大学理学部・理学系研究科 土松 隆志先生である。

▶︎退化も進化
一般に進化というと,能力や性能が向上したり進歩したりといったニュアンスがある。一方,生物学的な進化は,「世代を通じて生物集団の性質が変化していくこと」とだけ定義されており,そこに進歩的な意味合いはまったくない。たとえば,暗い洞窟に生きる魚では視力が失われているなど,器官の欠損や消失のような「退化」的現象は生物の世界ではよく知られている。これらも世代を経る過程で徐々に生じてきたものであり,定義上は進化の一種ということになる。
※東京大学理学部・理学系研究科 土松 隆志(生物科学専攻 准教授)高校生の皆様へより

◆「ナメクジ」と「カタツムリ」。カタツムリが進歩してナメクジになったわけではない。ただし、生きるためには殻がないほうが有利だったのだろう。

◆ちなみに、ナメクジとカタツムリは別の生き物だ。ヤドカリと同じように、殻の貝殻をナメクジに与えても、殻を身につけてカタツムリになることはない。また、カタツムリの殻の中には内臓がつまっていて、殻から出すと死んでしまう。

◆人間でいえば、無駄なものをどんどん捨てていく今流行りの「断捨離」をしたのがナメクジなのだ。「家」まで捨てて、ナメクジとなったのだ。ここだけの話だか、家無しのナメクジ、冬眠もできるそうだ。

                             
#心は大山
#輪橋山徒然話
#ナメクジ
#断捨離
#カタツムリ
耕田院(山形県)

すてき

みんなのコメント0件)

ログインしてください

ログイン無料登録すると、投稿へコメントできます。

ホトカミ見ました! で広がるご縁

ホトカミを見てお参りされた際は、
もし話す機会があれば住職さんに、「ホトカミ見てお参りしました!」とお伝えください。
住職さんも、ホトカミを通じてお参りされる方がいるんだなぁと、情報を発信しようという気持ちになりますし、
「ホトカミ見ました!」きっかけで豊かな会話が生まれたら、ホトカミ運営の私たちも嬉しいです。
耕田院のお知らせをもっと見る430件
コメント
お問い合わせ