熊野神社のお参りの記録(1回目)
東京都御成門駅

『熊野神社』か..『ゆや神社』って読むんだ..勉強になります。

では、失礼します！

綺麗にされてるなぁ..

おっ、出水舎にカラスが描かれてる！

へえ..日の丸にカラスか..

どういう意味があるのかなぁ..

「あ、あの！」

「おっ、はい」

「あっ、あの、突然、すみません！鳥居クグルさんでしょうか？」

「あっ、はい。そうですけど」

「私、歩徒乃歌美と申します！」

「あ、はぁ..ホトノカミさん..」

「いきなりなのですが、鳥居さんにお話したい事があります！」

「あ....はい。じゃあ、お参りしながら話しましょうか」

「あっ、はい！有難うございます！」

「あの、何で僕の事知ってるんですか？」

「あ、あの..これ、いきなり言っても信じてもらえないと思うんですけど..」

「はぁ..何でしょう？」

「あの..わ、私、未来からやって来ました！」

「あ、そうなんですか？」

「驚かないんですか！」

「あ、はい。この前、狛犬が喋るの見たんで、大抵の事では驚きませんよ..」

「えっ！狛犬って、神田明神のですか？」

「あ、知ってるんですか？」

「..まったく..昔からおしゃべりなんだ！」

「あの、拝殿にご挨拶していいですか？」

「あ、はい、どうぞ！」

「本日はお参りさせて頂き、有難うございます....
で、歩徒乃さんは、未来から何の為に来たんですか？」

「あ、はい..あの、私のいる時代では神社が次々と無くなっています。このままでは、いずれ、殆んどの神社が無くなるのではと予想されています」

「えっ..そうなんですか？」

「はい、残念ながら..
その為に私は特殊任務を受けて、多くの神社が存在していたこの時代にやってきました」

「そうなんですか..今のうちに対策を打っておくという訳ですか..」

「はい。そして、この時代のインターネットで『ホトカミ』というサイトを見つけて、色々調べました」

「そうなんですか..」

「はい。それで、投稿されていた方に御協力頂きたいと思いまして..鳥居さん、あなたの所にご相談に参りました」

「えっ、そんな！僕なんかぺーぺーの素人ですよ！他に神社に詳しい方、沢山いますよ！」

「いえ、鳥居さん。私はあなたの純粋さに可能性を感じました」

「そんな、責任重大ですよ...僕なんか...あっ、神社巡りの先輩のミックジャ..」

「アレは駄目です！」

「ア、アレって..確かに若干、胡散臭いですけど、悪い人じゃ..」

「アレは駄目です！
鳥居さん！私にお力を貸して頂けないでしょうか！」

「えー..あぁ..じゃあ、出来る範囲でなら..」

「そうですか！有難うございます！では、上司に連絡しますので..」


いや～、何だか妙な事になったなぁ..


「鳥居さん。上司と同僚が、ご挨拶したいと言ってるのですが」

「あ、はい」

「では、こちらの3Dビジョンで」

「うわっ、何か出た！」

『どうも～宜しくお願いしま～す』

『お願いしま～す』『お願いしま～す』


「....ず、ずいぶん、軽い上司だな..」

【つづく】